2018/08/21 公文書の西暦表記、義務づけ見送り 政府方針


2019年5月1日の元号リセットは天皇の退位によるもので、事前に予定されていたために、政府内含めてさまざまな議論が行われていました。


 暦年の途中でリセットしてしまうことを回避して、1月1日からにしようとか、年度始まりの4月1日からにしたら影響がすくない、とかという意見も前年までは見られました。
 結局、「大正」は7月30日から、「昭和」は12月25日から、「平成」は1月8日からリセットしちゃって、今回も年の途中の5月からリセットしちゃうけど、とりあえず月の最初の日、1日からリセットすることにしたから、これで勘弁してね、みたいな話しに終わりました。

 その中でもっとも注目したのは、政府が公文書の西暦表記化も検討していたが、結局見送ったという日本経済新聞の記事でした。


2018年8月21日日本経済新聞 政府西暦表記義務化見送り記事イメージ

 この内容は記者クラブに対して行われた「一斉発表もの」では無いようです。記者が問題意識を持って関係者に聞き出して書いたものか、官僚があえてリークして書かせたものかは、分かりませんが、この記事の掲載は、世界を相手に仕事をしている「ビジネスパーソン」を読者に想定していると思われる「日本経済新聞」だけでした。そしてそのことは、この新聞の読者層にとっては、「元号使用」などおそらく、弊害以外の何ものでも無いことを示唆しており、同時に、官僚の思考にとっても「元号」など、もはや夾雑物に過ぎないことも示唆している、と考えました。


 公文書の西暦表記、義務づけ見送り 政府方針

2018/8/20 21:00 日本経済新聞 電子版
2018/8/21 日本経済新聞 朝刊


政府は 2019 年 5 月 1 日の新元号への切り替えに関し、公文書への西暦表記を義務付けない方針を固めた。和暦と西暦を併記したり、西暦に統一したりする方針は示さず、各省庁や自治体の個別の判断に委ねる。慣例で元号を使ってきた省庁や自治体が多く、改元前後の国民生活への影響や混乱を避ける。


現在、公文書に和暦の記載を義務付ける法令はなく、西暦を併記する明確な基準もない。表記はばらばらだ。政策の実行計画などには「平成 32 年」など実際は存在しない和暦の年数が記されている例もあり、わかりにくいとの指摘があった。


政府は当初、改元に合わせて公文書に和暦と西暦の併記を義務付けるなどのルール策定を検討した。公文書の統一性やわかりやすさを確保するためだ。国際的に元号は通用せず、日本に滞在する外国人にわからない面もある。


しかし、19年5月1 日の改元まで時間は限られる。慌てて政府共通の方針を示しても各省庁や自治体の対応が追いつかず、かえって行政手続きや国民生活に混乱を招くおそれがあると判断した。


9 月の自民党総裁選や来夏の参院選を控え、和暦を重視する保守層らの反発を避ける思惑もありそうだ。政府内では「このタイミングで西暦に完全に移行すると受け取られかねない方針は示すべきではない」との声がある。内閣官房幹部は公文書に西暦の表記を義務付けるかは「改元とは切り離し、今後検討していく」と話す。


もっとも、近年は公文書に西暦を使う例は徐々に増えている。栃木県や長野県茅野市などはすでに西暦を併記している。東京都は各部局に「都民の混乱を防ぐための配慮が必要なものは西暦併記が望ましい」と要請済みだ。

マイナンバーカードの有効期限には西暦が使われており、警察庁は免許証の有効期限の表記を来春以降に元号から西暦に変える。政府関係者は「改元をきっかけに西暦を表記し始める公文書は増えそうだ。日本に滞在する外国人が増えるなか、将来は西暦表記が義務付けられる可能性はある」と語る。


(※下線は引用者による。この部分は、日本経済新聞の記者と経済活動の最前線にいるその読者達の願望でもある、と受け止めます。)


 なお、政府は2019年5月1日に予定された元号リセットの前年から、各省庁間でのコンピューターシステムでやり取りする日付データについて西暦に一本化する考えを示し、2019年にはその具体的な指針が定められています。しかし、証明書などは西暦から元号に変換して発行する方針、という、混乱ぶりです。

以下はその資料ページへのリンクです。

https://seirekiheiyo.blogspot.com/p/blog-page_38.html