日本年金機構に再質問

2023年5月12日金曜日

運動 行政 政府の対応

 5月9日付で、日本年金機構に対して、再質問を送付しました。 

 政府は1979年の元号法制定の審議過程からずっと「元号使用は強制ではない」とし、その理屈は、「窓口では西暦で書かれた書類も受け付けるのだから、国民に使用を強制してはいない。」というものでした。
 しかし、それから40年以上経過し、電子申請が義務づけられているにもかかわらず、その電子申請プログラムでは、「年」を入力する時プルダウンの選択肢に「元号」しか表示されず、「西暦」では申請できないものがあります。
 「日本年金機構」の電子申請プログラムはその一例です。そこで、「日本年金機構」に対して、政府の言うとおり「西暦」でも入力出来るようにして下さい、という要請書を2月17日付けで送付し、3月31日迄の回答を求めていました。
 最終的には4月7日迄に口頭で以下の回答がありました。
 
 ➀年金事務の正確性を確保するために元号を使っている。
 ➁政府の考えに見解を示す立場にない。
 
 もちろんこれでは私たちの要請への回答に全くなっていませんので、5月9日付けで以下の再質問を送付し、6月9日迄の書面回答を求めています。
 もちろん、政府側にもこの件についての見解を出させる必要がありますので、そのための手立てを考えていきます。
 
 私たちはこのような「亀裂」を手がかりに、世界で唯一、公文書内の「年表記」を「元号」(不定期にリセットされる数字)によって記述している「日本社会」での議論を巻き起こしたいと考えています。
 元号使用による社会生活での不便を訴える「具体的」な声と、これは日本の伝統だというような「抽象的」な声が全く噛み合わず、70年以上も有効な議論が成り立たないまま、社会的に停滞している状況を変えるために、今後も活動を進めていきますのでご注目下さい。

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 202359

日本年金機構 御中

                                                                                「西暦表記を求める会」

共同代表:稲正樹、澤藤統一郎、田中宏

 

電子申請プログラムにおける「年表記」入力方法についての再質問

 

貴機構ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

私たちは2023217日付で、貴機構に「電子申請プログラムにおける「年表記」入力方法についての要請」をお送りし、3月末日までの回答を求めました。

要請の主旨は、《政府がこれまで「公的機関の窓口業務での国民の元号使用はあくまで協力要請であり西暦で記入したものも受け付けられる」といってきたにもかかわらず、国から委任、委託された業務を行っている日本年金機構の電子申請プログラムでは元号でしか入力出来ない、これは政府の説明に反している。日本年金機構は政府の説明どおり、西暦での申請も出来るようにして下さい》、という単純なものでした。それに対し、47日迄に電話による口頭で以下の回答を頂きました。

年金事務の正確性を確保するために元号を使っている。

政府の考えに見解を示す立場にない。

しかし、これでは「政府の説明どおりに電子申請でも西暦での入力が出来るようにして欲しい」という私たちの要請への回答には全くなっていません。

そこで、重ねて以下の質問をします。

1)西暦で入力すると正確性が確保できない理由は何か。

2)政府が「西暦で記入したものも受け付けられる」と言っているのであるから、国から委任、委託された業務を行っている貴機構は当然それに従うべきではないか。

3)政府は「行政基本情報データ連携モデル標準ガイドライン」を定め、政府情報システムを対象に、日付データについては西暦を使用したYYYY-MM-DDYYYY:西暦年 4 桁 MM :月 2 桁 DD :日 2 桁)での形式を採用することを求めている。(別紙資料参照)
貴機構の情報システムはそれに従っているか、あるいは将来それに従うか。

 

以上の3点について、202369日迄に書面でのご回答をお願いいたします。

敬具

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別紙:参考資料

 

元号と西暦の使用に関わる政府見解の抜粋については2023217日付の要請書にすでに添付したので、「行政基本情報データ連携モデル 標準ガイドライン群ID1015-1」抜粋を以下に示します。

 

行政基本情報データ連携モデル
標準ガイドライン群ID1015-1

2021 年(令和 3 年)6 4

 

日付及び時刻

日付及び時刻のデータは、ISO8601及びJIS X 0301(日付及び時刻の表記)に準拠し、以下のとおりとする。(ただし、高速処理が必要な場合等、特段の事情がある場合には、独自形式を採用する場合もある。)

 

1 日付及び曜日

1.1 日付

日付のデータは以下の形式とする。半角を使用する。

 

YYYY-MM-DD

 YYYY:西暦年4

 MM  :月2桁(1桁の場合には前に0をつける)

 DD   :日2桁(1桁の場合には前に0をつける)

 

例)2017-09-01

 

………………中略……………………

 

8 解説

8.3 和暦との変換

入力や表示・印字において和暦年を使う場合には、入力時には入力データを和暦から西暦へ変換し、データは西暦で管理する。逆に出力時には西暦から和暦へ変換して表示する。同様に、入力や表示・印字において12時間制を使う場合には、データは24時間制で管理し、入出力時に変換する。

例:入力[平成27年]→システム内[2015

システム内[2015]→出力[平成27年]

 

 

以上