12月20日に、会は、日本共産党の宮本徹議員と懇談し、日本年金機構の電子申請プログラムにおける元号のみでの入力強制が、「国⺠は⾃由に元号/⻄暦を使い分けることができ、窓⼝では⻄暦で書かれたものも受け付ける」という政府の一貫した主張に反していることを説明し、国会での議論を要請しました。
このことについては、「しんぶん赤旗」が12月25日に以下のように報じました。
公文書 元号強制は問題
西暦求める会、宮本徹氏懇談
2023年12月25日【2面】
「西暦表記を求める会」のメンバーが20日、公文書において元号使用が事実上強制されている実態の改善を求めて、日本共産党の宮本徹衆院議員と国会内で懇談しました。同会は2019年に結成され、「すべての公文書に西暦表記を!」というスローガンのもと、公文書における「年表記」を西暦化することを目指して運動しています。
菅義偉官房長官(当時)は2019年の会見で、「公的機関の窓口業務での国民の元号使用はあくまで協力要請であり西暦で記入したものも受け付けられる」と述べています。しかし、日本年金機構の電子申請プログラムでは、プルダウン方式で「年」を入力する欄について元号でしか入力できない仕様になっています。「会」は、電子申請においても「西暦」での申請もできるように仕様を変更すべきだと求めています。
「会」共同代表の田中宏一橋大学名誉教授は「永住や長期滞在の外国人が320万人を超え、政府もデジタル化を推進している中、改元のたびにリセットされ、未来の年は存在しない年になることもあり、不便で不合理だ」と述べました。
「会」共同代表の澤藤統一郎弁護士は「2012年の自民党改憲草案には元号の規定があるが、日本国憲法には存在しない」として、元号の強制は憲法上も問題があると指摘しました。
宮本氏は、「元号でしか入力できないのは、事実上の強制だ。是正を求めていきたい」と応じました。
この「元号使用の強制問題」を切り口に、日本社会での紀年法(年の表記方式)はどうあるべきかについて国会での議論開始を目指していきます。
各政党への質問状に同封した、「私たちの問題意識」でも明らかにしたように、問題の焦点は、「公⽂書を元号のみで表記する限り、不定期に、1 年の途中であってさえも突然「年表記」がリセットされてしまうこと、また、将来の年の「年表記」ができないこと(有効期限の終期の表記は元号未定なので表記不能)、これらを受忍しなければならないのであり、それを今後も私たちは受け⼊れるのかどうか」という争点です。
会で10の政党に問いかけた「公文書の西暦化に関する質問状」に対しては締め切りを12月28日迄に延長しましたが、今のところ、未回答の党派が大勢です。これは小さな市民団体の質問だから無視・未回答というよりは、おそらく党内で議論さえしたことがないので、回答出来ない、という事ではないかと推測しています。
結果については1月初旬にこのブログに掲載します。
また、今後も各政党の所属議員に対して、この問題の説明により、国会で日本社会の紀年法がどうあるべきかを議論するよう呼びかけることを追求していきます。