元号に関しては様々な世論調査、アンケートも行われてきました。
しかし、特徴的なのはいずれも、あなたは普段元号・西暦どちらを使っていますか、元号はこれからもあった方がいいですか、廃止した方がいいですか、というような設問で、社会的な紀年法についてどう設定すべきか、という設問ではないということです。
資料ページに「元号に関する世論調査など」へのリンクを置いてあります。 https://seirekiheiyo.blogspot.com/p/blog-page_16.html
政府は1979年の「元号法」制定前に1974年から3回、元号に関する世論調査を行っているのですが、いずれも個人が「手紙を書いたり人と話したするときに、元号を使っているか西暦を使っているか」「これからも元号があった方がいいか、廃止した方がいいか」という設問になっています。
当時の「元号法」を根拠づけるという目的での設問、世論調査であることがよくわかるのですが、最後の世論調査から45年、現在必要なのは、元号/西暦の混在で生じる換算についてどう考えているか、とか、元号のみで表記される様々な公文書についてどう思うか、といった世論調査でしょう。
内閣府の世論調査(1974年12月2日〜11日)
Q1 あなたは,ふだん,手紙を書いたり,人と話をしたりする時,主に,昭和とか大正というような年号を使っていますか,それとも西暦を使っていますか。
(83.6%)主に年号、(4.0%)主に西暦、(11.4%)年号と西暦が半々、(1.1%)その他
内閣府の世論調査(1976年8月20日〜29日)
詳しくはこちら 1979年の元号法制定の根拠とされた世論調査、国民の87.5%が、「ふだん、手紙を書いたり、人と話をしたりする時、元号を使用する」と回答。
内閣府の世論調査(1977年8月22日〜31日
内閣府調査結果掲載ページ 1979年の元号法制定の根拠とされた2回目の世論調査、国民の88.6%が、「ふだん、手紙を書いたり、人と話をしたりする時、元号を使用する」と回答。
※アンケート項目のパーセンテージは、内閣府調査結果掲載ページのアンケート項目左側( )内の数字です。
年代に元号使用34% 30年間で「半減」
毎日新聞(2019年2月5日 東京朝刊)(Wayback Machineによるキャプチャー)
毎日新聞が日常生活での元号使用について、1975年、1979年、1989年、2019年におこなった世論調査結果が掲載されています。
2019年2月の調査では、「ふだん、年代を表す際に、元号と西暦のどちらを使うか」という質問に、「主に元号」と「元号と西暦と半々」がともに34%で並び、「主に西暦」が25%でした。
1975年の調査で年代使用に「元号」という回答は、82%で、76年の内閣府調査とほぼ同じ割合になっています。1989年からの30年間で、「主に元号」を使用する人はほぼ半減、全体の3分の1になりました。
いつも使うのは「元号?」「西暦?」(読者アンケート)
朝日新聞(2015年8月22日)
1974人に「元号使用」、「西暦使用」、「使う理由」などを調査しています。「いつも使うのは元号」…32%、「西暦」…68%という回答でした。(アンケート結果)