再論:コロナワクチン接種は西暦のみ、日本での年の表記方法を考えよう

2021年7月17日土曜日

疑問を持つ方々へ 元号表記ピックアップ 政府の対応

 現在進められている新型コロナワクチン接種の予診票では、生年月日、接種日付はすべて西暦表記のみで記入するようになっています。

 このことは既に、6月13日に一度取り上げていますが、おそらくすべての人が自ら記入する書類である、この予診票を素材にして、あらためて、社会における「年の表記方法」について皆で考える事を呼びかけます。

大規模接種会場(自衛隊)の記入例から


 ワクチン接種管理システムを、その中で使用する年月日として「元号」を組み込んで作成することの馬鹿馬鹿しさ、という共通理解から、このような合理性が選択されたと考えます。
 政府は「国民は、元号・西暦を自由に使い分けることができる」と主張しています(2019年の元号制定差し止め請求事件:2020年2月17日国側準備書面2)。
 しかし、年金や社会保険の電子手続きにおいて「元号」のみで入力するフォーマットを指定したり、「元号」のみで戸籍を作成して発行しており、国民は「元号と西暦を使い分ける」ことなど出来ないのですが、それとは逆に、今回の場合では「元号」使用は出来ないのですから、政府の主張は既に破綻しています。それは、社会における合理的な「年の表記方法」を決定しなければならないという課題から逃亡し続けてきたことの結果です。

 「西暦使用に反対する意見」はこのワクチン接種予診票のフォーマットに抗議しようと考える事によって、「元号」を使わなければならないという自らの主張の脈路を自問し、自らの論理をさらに深め、展開して行くことが可能なはずです。
 パスポートになぜ「世界に誇る日本の伝統である(はずの)元号」が全く書かれていないのか、という疑問への考察とも合わせて、是非それらを試みて欲しいと思います。
 それらが、「日本社会における紀年法をどうするべきか」、という現在必要な議論の一部になるのです。

 なお、この予診票記入見本においては、「本人が署名した年月日」、という、システム管理には直接関係無い部分では、「元号」が書かれていました。

 ひとつの書類の中で、換算表が必要な二つの「年の表記方法」が使われているような国家・社会の在り方を変えるのは、その中で生きている私たち以外にありません。