元号使用強制問題 国会での「紀年法」議論に向けて

2024年3月13日水曜日

運動 国会へ 政府の対応

一つの社会の「紀年法」(年の表記方法)」は、「統一性と普遍性」を具備していなければなりません。

しかし現在の日本社会では、公文書における年の表記は「それが慣行だ」という理由づけのみにより元号が主であり、民間においては世界標準である西暦が主という混乱状態にあります。

また、元号は日本でのみ使用されているものですが、20236月現在、日本に在留する外国籍者の数は322万人を越え、更に増加すると見こまれています。

世界には様々な紀年法(年の表記方法)があります。しかし、元号は、不定期に数字をリセットしてしまうという世界で唯一の特殊性を持っており、そのため、①元号では未来の年については確定表記出来ない、②元号と世界標準である西暦との換算には元号ごとに特殊な換算計算が必要である、という問題を原理的に除去できません。

そしてこの元号の特性により、日本社会における元号使用と西暦使用の二重性という現状が、国民に換算のための多大なコスト負担とストレスをもたらしている事は誰も否定できません。

そのような国民の負担とストレスを合理的に解決するためにはどうすべきかを議論するのは国会としての義務ではないでしょうか。

私たちは、このような混乱、国民の負担、ストレスの解消のためには、日本における紀年法(年の表記方法)として、「公文書の西暦表記化」(公文書における年の表記には必ず西暦を含む事)を定めることが必至だと考えます。

以下は、私たちが政府に質したいと考え、また、議論し決めて行くべきだと考える項目です。こうしたことが国会で議論されるよう、働きかけを進めています。

1, 政府は「元号法」(1979年)審議過程から現在まで以下の様に「元号使用は国民に強制しない」と言い続けて来ました。

201943日  菅義偉内閣官房長官
「元号の使用については、国民は元号西暦を自由に使分けていただいてもよい・・。公的機関の窓口業務での国民の元号使用はあくまで協力要請であり西暦で記入したものも受け付けられる」

1979316日 第87回国会 衆議院本会議(元号法審議) 三原朝雄総務長官
「この法案は、一般国民に元号の使用を義務づけておるわけではございません。・・・この法律には、西暦使用については何ら制限をいたしておらないわけでございまして・・・。この法案には、元号の使用を官公庁において義務づけた規定はございません。一般国民の公の機関に提出する申請書でございまするとか届け出書でございまするとかいうものにつきましては、・・・西暦でどうしても記入して手続をしたいと言われる方については、西暦で受理するということになると思うわけでございます。」

にもかかわらず現在、電子申請プログラムにおいては、プルダウンメニューで元号しか入力できない仕様となっており、かつ、20204月からその電子申請が義務化されている事例があります。

元号でしか入力できず、かつ電子申請が義務化されている事例

 日本年金機構
健康保険・厚生年金保険被保険者 報酬月額算定基礎届

健康保険・厚生年金保険被保険者 報酬月額変更届

健康保険・厚生年金保険被保険者 賞与支払届

① 上記事例は政府の説明に反した元号使用の強制であることを認めますか。

他の電子申請、OCR読み取りの申請書式も含めて、政府の主張どおりに、元号・西暦にかかわらず申請できるようにするために、今後どのような措置を取りますか。

 

2, すでに政府は2019年に省庁データは西暦化することを決定済であり、「行政基本情報データ連携モデル標準ガイドライン群」で、日付データはISO及びJISに準拠しYYYY-MM-DDの形式にすることとしています。
 ところがデータについては西暦化する一方で、入出力時点ではそれぞれ元号から西暦に、西暦から元号に変換する方針を示しています。

① 西暦でデータは統一するが、入力と出力においては元号を使用する、というこの方針について、国民の意見を、たとえば世論調査で、聞いたことがありますか。

もしこの方針決定時に多数の国民の意見を聞いていないのであれば、国民の意見を聞くために、これから世論調査・パブリックコメントなどを実施するつもりがありますか。 

以上

上記事項については以下の資料集を参照してください。

元号強制問題資料集